CBT試験は、インターネット技術を活用した試験方式です。受験申込から合否通知までの工程が、すべてパソコンを使ってオンラインで完結するのが特徴です。この記事では、試験の概要やどんな資格が取得可能かについて解説します。CBT試験について正しい知識を身につけて、受験の不安を軽減し、万全の態勢で挑みましょう。
CBT形式の資格試験が増えている背景
CBT(Computer-Based Testing)試験は、従来の紙ベースのテストに代わり、コンピュータを使用して実施される試験形式です。
紙ベースのテストとの違い
紙ベースのテストとの違いは、受験の申し込みや結果通知がオンラインで行われることです。
試験は指定された会場で、用意されたパソコンを使って受験するため、受験者がパソコンを用意する必要がありません。また、試験会場には試験官がいるため不正が発生しにくいのが特徴です。
CBT形式の試験は増加傾向にある
近年、このCBT形式を採用する資格試験が増加しています。
その背景には、技術の進化や社会的ニーズの変化が大きく影響しています。技術の進化と普及面ではインターネットの急速な一般化により、オンラインでの受験申込や結果通知が容易になりました。
さらに、コンピュータの性能向上や価格低下により、多くの試験会場で高性能な試験用端末を準備できるようになったことも要因です。また、社会的なニーズもCBT普及を後押ししています。
たとえば、多様なライフスタイルや働き方が存在する現代において、柔軟な試験日程や場所を提供するCBT試験は、忙しい社会人や遠方に住む受験生に歓迎されています。また、新型コロナウィルスの影響もCBT試験普及の一因となっています。
パンデミックの影響により人が集まる対面式の試験実施が困難だったため、代わりの試験方法としてCBT形式が注目されました。
受験者・試験提供側のメリット
CBT試験は受験者だけでなく、試験提供側にも導入メリットがあります。
受験者にとっては、試験日や試験会場を柔軟に選択できること、即時結果確認できることなどが主な利点です。多くのCBT試験では受験者が都合の良い日時を選べるため、仕事や学業との両立がしやすいです。また、自宅から近くのテストセンターで受験できるため、時間と費用を節約できます。
また、結果がすぐにわかるので、合否を待つ時間が短くなり、次の計画を立てやすくなります。一方、試験提供側の利点は運営の効率化です。紙の印刷や配布・回収・保管にかかる費用や手間が不要になるため、運営コストを削減できます。
また自動採点システムにより、人的ミスのリスク軽減と採点の迅速化が実現し、試験の実施プロセスが簡素化できるのです。さらに、大規模な問題バンクを容易に管理・更新できるため、問題の難易度分析や統計処理が容易になります。
これにより、分析結果を活用して試験の質を継続的に向上させられることも魅力です。
CBT試験で受けられるおすすめ資格を紹介
ここでは、CBT試験で受験できるおすすめ資格を紹介します。
漢検・英検
CBT形式を導入する資格や検定の代表的なものとして、漢検や英検があります。
いずれも子どもから大人まで幅広い年代が受験する定番試験です。
特定職業特化資格
また、秘書検定や銀行業務検定、電気工事士、証券外務員資格、アマチュア無線技士など特定の職業に特化した資格でも採用されています。
おすすめの資格は、ITパスポート試験と日商簿記3級です。ITパスポートはITに関する幅広い基礎知識を測定する国家試験です。IT業界に限らず、現代のビジネスにおいて必須の知識を証明できます。
簿記3級は経済に関する一般常識を問われる試験で、仕事のスキルアップや就職・転職の際に役立ちます。いずれも定期的に試験を実施しているため、受験のしやすさも魅力です。
今後CBT形式が採用される分野
CBT形式を採用する分野は、現在はIT関連や語学試験、医療関連試験などが中心です。
技術の進歩によって、試験の厳密性や受験の利便性が高まる可能性も低くありません。ご自身が興味のある資格や、仕事で取得が推奨される資格・検定がある場合は、CBT形式に対応しているかどうか確認してみてはいかがでしょうか。
CBT試験を受ける際に注意するべきこと
CBT試験を受ける際には、いくつか注意するべきことがあります。
試験はコンピュータを通して受けるため、キーボードやマウスの操作が必須です。普段からパソコンを使い慣れていないと、解答そのものや問題の移動が困難な場合があります。また、試験システムによっては、1度解答した問題には戻れないタイプがあります。
誤操作で問題を先送りしないよう注意が必要です。さらに、ペーパーテストと異なり、問題用紙への書き込みはもちろん、問題用紙も持ち帰りができないという不便さがあります。
一般的な試験会場ではメモ用紙が提供されるので、試験前にメモ用紙を使って計算や重要ポイントを記録する練習をするとよいでしょう。また、日頃からコンピュータ上での問題解決に慣れておくことで、試験当日に戸惑うことなく試験に集中できます。
まとめ
CBT試験の概要や受験の際の注意ポイント、CBTでとれる資格の種類について紹介しました。CBT試験は受験の申し込みから合否確認までオンライン上で進められます。受験は試験会場に赴く必要がありますが、試験会場や受験日に多くの選択肢が与えられています。そのため、仕事や勉学に忙しい社会人・学生でも無理なく受験できることが特徴です。CBTを導入している資格ではITパスポート、日商簿記3級などが定期的に開催されており、ビジネススキルとしても定番でおすすめです。