CBT試験を導入することによっての受験者側のメリットとは?

公開日: 2023/12/15
メリット

普段の生活をはじめ、教育現場やビジネス面など、いろいろなシーンでデジタル化が進んでいますが、試験に関してもこれまでの紙ベースからコンピューターを使用した試験に変わっているものも数多くあります。今回はCBT試験を導入することで、受験者側にどのようなメリットを与えることができるのかみていきましょう。

CBT試験の導入による受験者側のメリット

CBTとは「Computer Based Testing」の略で、コンピューターを活用した試験方式のことです。答案用紙を紙に印刷されたもので、試験をするアナログのPBT試験と対比した言葉で、デジタル形式で受験するものがCBT試験となります。

もともと海外で始まった試験で、日本でも1990年代から活用されていましたが、本格的に広まってきたのは最近のことです。試験の方法は、問題用紙やマークシートを使用したPBT試験とは異なり、CBT試験ではコンピューターに表示される問題に関して、選択問題ではマウス、記述問題ではキーボード、スピーキング問題ではマイクに音声を拭き込むなどして解答します。

試験はCBT試験が受験できるテストセンターで行いますが、CBT試験を導入することにより、主催者側にとってもいろいろなメリットがあるのです。監督者の手配やテスト問題・答案用紙の配布、筆記用具などの準備をする必要もなく、作業負担が大幅に軽減されるのが魅力です。

また、CBT試験で利用するパソコンは試験問題以外のプログラムが起動しないように設定しており、不必要な操作がされないように制御されているので、情報漏洩やカンニングなどに対するセキュリティ対策が万全なこともポイントといえるでしょう。

動画や音声での問題も活用できるため、アナログな方法では出題できなかったいろいろな問題を出すことができるというメリットもあります。

さらに、人ではなく機械が採点するために、採点ミスがおこりにくく、答案用紙を紛失するという心配もありません。メリットがあるのは主催者側だけではなく受験者側にもあるので紹介していきます。

会場が近隣

PBT試験では受験できる会場が限られており、特定の地域や主要都市でしか受験できないことが多いです。そのため、地方に住んでいる受験者にとっては、試験の会場に行くまでに遠くまで移動しなければならず、コスト的にも時間的にも精神的にも負担が大きくなってしまいます。

しかし、CBT試験の場合は自宅近くの試験場で受験が可能で、全国47都道府県のどのエリアにも会場があり、各エリアには複数の会場があるので、地方の受験者にとってもメリットは大きいといえるでしょう。

PBT試験と比べてCBT試験は少ない人材で実施ができるために、小規模会場を多数用意されることが多いのです。

日程変更が可能

自分の予定で日程や会場を決めることができます。日時が多数用意されることが多いため

に、都合にあった受験日時を選ぶことができるのです。いきなり予定が入っても、1営業日前までに変更ができるので、受験者にとって申し込みしやすいといえるでしょう。確実な予定がたてられないので試験を受けるかどうか迷っている人には申し込みしやすいといえます。

結果がすぐ分かる

試験終了直後に結果が分かるのも魅力です。コンピュータで自動採点してくれ、迷った問題や分からなかった問題の正誤を確認することができるため、復習して次の学習へのステップにつながります。

採点結果がすぐに分かれば、気持ちの切り替えもしやすくなるでしょう。ただし、採点結果はわかるものの試験の合否はすぐに分からない場合があります。

CBT試験の導入による受験者側のデメリット

これまでメリットを紹介してきましたがデメリットも存在します。主催者側のデメリットとしては、コストや運用面でのリスクがあります。CBT導入には、イニシャルコストやランニングコストが発生してしまう点がネックといえるでしょう。

ただし、紙代や配送代、監督の手配などのコストが削減できるので、CBT導入で削減できるコストと、新たに発生するコストを把握したうえで、トータルでコストを確認しておくとよいでしょう。

メリットでお伝えしたセキュリティ面ですが、監督者やカメラなどがあり、入室前に本人確認するなどカンニング対策も行われています。しかし、直接主催者側が受験者を監視することができないため、不正行為を100%防ぐことができるとはいいきれません。

また、コンピューターを利用しているために、通信エラーやシステム障害がおきる場合があり、試験に支障をきたしてしまう場合があります。大幅な障害が発生してしまうと、試験の開催自体が中止になる場合もあるというリスクはデメリットといえるでしょう。受験者側にとっても、デメリットはおもに3つあります。

慣れていないと時間がかかる

コンピューターを使用するために、普段からコンピューターを使い慣れていない人にとっては時間がかかる場合があるでしょう。

モチベーションの維持ができない

試験が一斉に行われないので、緊張感がうすれて集中しにくいということがあります。また、主催者側に直接監視されることがなく、カメラや監督者に監視されている状況しかないため、試験に対して集中力がきれる場合があるでしょう。

もちろんリラックスして受験できる点はメリットといえますが、ペース配分やケアレスミスなどをおこしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

通信環境に左右される

解答をコンピューターに打ち込んで送信しますが、通信環境を利用した試験なので、タイムラグや通信エラーなどの不具合により、試験の進行に支障が生じる場合があります。自分のペースが乱されてしまい、ストレスを感じてしまって思うように進めることができないこともあるでしょう。

CBTシステムを導入して試験を実施する方法

CBTシステムを導入することにより、主催者側にとっても受験者側にとってもあるメリットやデメリットについてお伝えしました。CBTを導入するにあたっては十分に特徴を把握したうえで、自社が提供する試験内容に合うシステムなのかどうかを検討することが重要です。

試験を実施する方法としては主に3つありますが、いずれかの方法から自社にあったものを選んで導入しましょう。

自社で開発

自社にエンジニアがいて技術力が高ければ、自社で開発するのもよいでしょう。自社にぴったりなシステムとなり、希望にあった試験が実施できます。また、不具合がおきても対応が容易にできるのも安心です。ただし、時間や労力、コストがかかることに注意が必要です。

外注する

専門知識や経験のあるシステム会社に外注するのもひとつです。こちらもオーダーメイドの発注となるため、システム構築から実装するまでに労力はかからないものの、時間とコストがかかります。

CBTサービス

各社が提供している既存サービスを利用する方法もあります。労力もかからず、導入までの時間も短期間で可能です。導入後のサポートも含めて、自社の試験に一番最適なサービスをみつけましょう。サービス選びのポイントとしては受験者が登録しやすく、試験後の成績管理がしやすいかどうかがポイントです。

どのような問題形式に対応しているのかも重要といえます。管理画面の見やすさや使いやすさ、受験者の利用のしやすさも確認しておきましょう。さらに、不正防止に関してもどのような対策機能がついているのか十分確認したうえで、どのサービスを選ぶのか決めてください。

まとめ

いろいろな場面でデジタル化が進むなかで、試験に関しても同様に進んでいます。そうしたなかでも、今回はコンピューターを使用するCBT試験について紹介しました。近隣で受験できるうえに、結果もすぐ分かるために受験者側にとってメリットも大きい方法となっています。ただし、デメリットもあるので、自社で導入する場合にはCBT試験の特徴をふまえて、システムの導入を検討しましょう。

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