インターネットが主流になり、オンラインを取り入れている企業も増えています。それは試験においても同様です。
「CBT試験」は、いわゆるコンピューターを使った受験方法になります。コロナ禍で急激に導入する資格・検定が増えましたが、従来の試験とは違い動画や音声などさまざまな問題が出題されるので、より深くまで能力が測れると評判です。
今回は、そんなCBT試験について受験者から見る試験の流れをまとめてみました。特徴についても紹介していますので、初心者の方や必見です。
どんな試験?CBTについて
これまで、試験というとマークシート式や記述式が一般的でした。もちろん今でも用いられていますが、新型コロナウイルスの影響でオンラインを使った試験が注目されています。
それが「CBT試験」です。CBTとは「Computer Based Testing(コンピューター ベースド テスティング)」の略称で、文字どおりコンピューターを使って行う試験を意味します。テストセンターで行うのが基本ですが、自宅で行うIBTも存在します。
ここでは、CBT試験について詳しく解説します。
コンピューターを使用した試験
冒頭のとおり、CBT試験はコンピューター上で行う試験のことをいいます。コロナ禍によるオンライン化で導入が加速しましたが、地震や台風など突然の災害にも対応しているので、状況を選ばず受験できるのが特徴です。
現在、CBT試験を導入している企業・資格は多数存在します。詳細については後述しますが、PCやタブレッドで簡単に問題が解けるので、これまでより気軽に受験できるのは大きなメリットでしょう。
今後も、ますますCBT試験を導入する企業が増える可能性があります。
CBTを導入した試験は多数
もともと、CBTが日本で使用されるようになったのは1990年代といわれています。今でこそ耳にする機会が増えましたが、実は以前から一部の企業・資格では導入されているようです。
現在は国家試験をはじめ、民間試験でも幅広く用いられており、なかには就職・転職でもCBTを採用している企業も存在します。
たとえば、馴染みのある漢検や英検です。漢検は2級~7級まで、英検は準1級~3級までCBTでの受験が可能になっています。また通常の試験より合否結果が早く出るので、ステップアップもスムーズでしょう。
テストセンターで試験を受ける
一般的に、テストセンターと呼ばれる会場で実施されます。自宅で受験するオンライン試験もありますが、こちらは「IBT(Internet Based Testing)」といってCBTとは少々異なります。コンピューターを使用する点は同様ですが、会場に出向かなくてよい点はIBTの大きなメリットでしょう。
CBTは全国にあるテストセンターにて実施されます。会場では本人確認として身分証明書の提示が必要になり、試験監視員も常駐しています。
多様な問題がある
筆記試験は紙を使っているので、問題の出題が限られてきます。しかしCBTは動画や音声なども取り入れられるため、多様な出題が可能になります。
そのため、ペーパーテストでは知り得なかった受験者の能力を引き出すことができます。
受験までの流れと予約について
CBT試験を受けるには、事前準備が必要です。ここでは、受験までの流れについて紹介します。
試験の内容
コンピューター上で問題を解いていくのが基本です。マウスやキーボードを使うので筆記用具は不要ですが、PCに慣れていないと少々時間がかかるかもしれません。
ある程度文字が打てるように、自宅やインターネットカフェなどでPCに触れておくと安心して試験に挑めるでしょう。
受験申込&予約
試験内容について理解したら、受験者情報を登録します。試験を受けたい資格・検定のホームページにアクセスし、申込画面から情報を入力していきます。ID・パスワードの入力も必要になるので、忘れないようにメモなどに記録しておきましょう。
ちなみに、CBT試験は企業に委託して運営していることが多いため、委託企業から申込むケースがほとんどです。
受験者情報の登録が完了すると、受験したい試験・会場・日時を選択します。試験会場は全国に設置されているので自分が住んでいる地域に近い会場を選ぶことになりますが、会場によって日程が異なるので間違えないように注意してください。
また会場の座席数には限りがありますから、早めに申込むことをおすすめします。
スケジュールが決まったら、受験料を支払い予約完了になります。支払い方法は、クレジットカードorコンビニから選択できます。
服装はなんでもOK?
受験当日は、身分証明書(運転免許証・パスポート・学生証など)を持参します。コンピューターを使うので筆記用具は不要ですが、資格・試験・会場によっては必要な場合がありますので、事前に確認しておきましょう。服装は基本的に指定されていません。
万が一試験当日に電車遅延があった場合「遅延証明書」を持参すれば受験できます。ただし会場によって異なるため、こちらも事前に確認しておくことをおすすめします。
受験当日にやること
試験当日は、開始時間より少し早い時間に会場へ向かいましょう。とくに電車遅延が多い方は、それを見込んで家を出ると安心です。
会場に着いたら、以下の流れで試験が開始されます。
受付・受験
会場では、受付で本人確認が行われます。準備した身分証明書を提示し、本人の確認がとれたら試験室へ進みます。会場によっては身分証明書の種類が決まっているところがありますので、間違えないように気をつけてください。
会場にロッカーがある場合は、手荷物を預けることも可能です。スマートフォンや腕時計などの小物類も忘れないようにロッカーにしまいましょう。不要なものを持って入場すると、カンニングを疑われる可能性があるからです。
席は一人ひとり仕切られており、受験番号に合わせて着席します。画面に試験問題が表示されますので、すべて解答し、試験時間のカウントが0になったら試験終了です。
試験終了後
試験時間は、先ほどのようにカウントされる場合と自身で終了ボタンを押す場合にわけられます。合否結果は資格・検定によって異なり、試験終了後に発表されるケースもあります。
試験が終わるとふたたび受付に向かい、借りたものをスタッフに返却します。すぐに合否結果がわからなくても、終了レポートが渡されるのできちんと受け取ってから帰宅しましょう
試験を受けるときの注意点
コンピューター上で試験を受けるので、筆記試験のように注意点はそれほど多くありません。強いて挙げるなら、問題を持ち帰らない・使用できる機能に制限がある・受験者ごとに問題が異なる点です。
試験問題はコンピューター上に表示されるため持ち帰るのは困難ですが、受付で渡されるメモ用紙も回収されます。そのため、自己採点や復習はできません。
また試験中は使用できる機能に制限があります。たとえば「前の問題に戻れない」「1問ごと時間制限がある」などです。資格・検定によって異なりますが、制限がある前提で受験すると焦らずに済みます。
さらに、受験者によって試験内容が異なるのもCBT試験ならではでしょう。ランダムで出題されるので、過去の試験内容が再利用されることはありません。「難易度に差が出るのでは?」と心配される方もいると思いますが、システムでコントロールされているので難易度は平等です。
ほかにも、PCスキルが求められる場合もあります。とくに試験時間がカウントされるところは、PC操作に慣れていないとすべて解答できない問題が発生します。操作に自信がない方は、筆記試験をおすすめします。
まとめ
近年注目されているCBT試験について、受験者から見る受験の流れを紹介しました。
筆記試験とは違いコンピューター上で試験を受けるため、マークシートに比べると気軽に試験を受けることができます。また試験日程も都合にあわせて選べるので、忙しい方でも受験しやすいでしょう。
しかし一方で、ある程度のPCスキルが求められます。マウスやキーボードに慣れていないと時間内にすべて解答できない恐れがあります。せっかくの試験が無駄になってしまう可能性もありますから、操作に自信がない方は筆記試験が安心でしょう。