
近年、大学入試や高校入試でもコンピュータを使ったCBT試験が注目されています。紙試験に代わる新しい受験方式として、運営や評価の仕組みはどう変わるのでしょうか?本記事では、CBT導入による利点と現実的な課題、段階的な実装の考え方を整理して解説します。
大規模試験でのCBT導入は可能か?
近年、CBT試験(Computer Based Testing)が注目を集め、大学入試や高校入試のような大規模試験でも実用化が議論されています。ここでは、CBT導入のメリットと課題、実際の活用事例や今後の展望を整理し、導入に向けた現実的な道筋をわかりやすく解説します。
CBT導入のメリット
CBTの最大の利点は、柔軟性と即時性です。問題をデジタル配信できるため、印刷や輸送の手間が省け、試験会場や日程の多様化が可能になります。採点の自動化により集計が迅速化し、合格発表やフィードバックのスピードアップが期待できます。
さらに、音声・動画・シミュレーション・プログラミング入力など紙では実現困難だった出題形式が使えるため、スピーキングや実技的能力、情報活用能力をより適切に評価できます。加えて、応答ログの保存により解答過程の分析が可能になり、教育改善へのフィードバックが得やすくなります。
導入に向けた大きな課題
一方で、全国規模での均一な実施を担保するためのインフラ整備は大きなハードルです。受験生が同一条件で受験できるよう端末・ネットワーク・電源・会場の確保が必要であり、地域格差の是正には相応の投資と計画が求められます。不正対策も重要で、ID照合、専用ブラウザ、画面録画、入退室管理、試験監督の在り方など多層的な対策が必要です。
さらに、システム障害や停電時の代替手順、試験中のトラブル対応ルールを明確に定める必要があります。受験生や保護者、学校関係者の理解と信頼を得るための周知・説明や個人情報保護の観点からの運用ルール整備も不可欠です。
今後の展望
導入は一気に進めるのではなく段階的に行うのが現実的です。まずは模試や一部科目、英語スピーキングや情報科目などから試験方式を導入・検証し、問題点を洗い出して改善していく方法が考えられます。
長期的には共通テストの一部や個別入試へ波及させることで、多面的な評価が可能な入試制度へと進化するでしょう。行政・大学・高校・民間機関が協働し、費用負担の分担や標準仕様の策定、試験監督基準の統一などを進めることが重要です。
大学や高校で広がるCBT活用事例
紙試験と異なり、CBT試験は運営面・評価面で新しい可能性を生みます。ここでは実際に期待される活用例を具体的に示します。
英語スピーキングテストの導入
コンピュータ経由でのスピーキング評価は、音声録音や自動採点ツールを組み合わせることで、発音・流暢さ・内容の完成度を一定の基準で評価できます。会場受験に限定する方式から、環境を整備した上での在宅受験まで、段階的な実施が可能です。自動採点だけでなく、人的評価を併用するハイブリッド方式を採ることで信頼性を高められます。
自宅受験やオンライン受験の活用
パンデミック時の経験を踏まえ、自宅や学校外での受験実施は安全面での利点があります。ただし、自宅受験を広く採用するには受験環境の確認(通信速度、静音環境、本人確認)と強固な不正防止策が前提となります。限定的な科目や追試用の運用から始め、運用実績を積み上げることが現実的です。
CBTがもたらす利便性
CBTは多様な出題形式を可能にし、部分点の付与や自動採点による詳細な成績分析が行えます。教師や受験生は即時フィードバックを活用して学習の改善につなげられ、教育のPDCAサイクルが加速します。
また、拡大表示、音声読み上げ、色覚補正といったアクセシビリティ機能を組み込みやすい点も誰にとっても利点です。
「情報Ⅰ」をきっかけに広がる新たな入試の流れ
情報教育の拡充により、入試で問われる能力の幅が広がり、CBTの必要性が高まっています。ここではその影響と具体的な変化を整理します。
CBTで可能になる多様な出題
プログラミングの実装、データの可視化・分析、シミュレーションを用いた思考力問題など、実践的なスキルを問う出題が行いやすくなります。受験生は画面上でコードを記述したり、図表を操作して解答を作るといった操作を通じて能力を示すことができます。これにより単なる知識量ではない操作・分析・設計の力を公平に評価可能です。
個別大学入試への波及
共通テストや学校側での導入実績をもとに、個別試験でのCBT採用が広がると予想されます。大学は入試内容を多様化し、学科・専攻に応じた実技的評価を取り入れることで、よりマッチした学生を選抜できます。ただし、大学間での評価整合性をどう取るかは今後の課題です。
受験生に求められる新しい力
CBT導入は単なる機器操作の習熟を超え、情報を適切に扱うリテラシー、論理的思考、問題解決能力がより重視されます。学校教育側も指導内容を見直し、操作スキルとともに思考過程の訓練を教育課程に組み込む必要があります。
まとめ
CBTは運営効率の向上と評価の多様化を同時に実現できる有力な手段です。導入を成功させるには、インフラ整備・不正対策・トラブル時の代替手順・関係者への説明と信頼構築といった多角的な準備が必要です。まずは限定的な試験や科目でのパイロット運用を行い、実績を踏まえた段階的拡大を図るのが現実的な道筋でしょう。技術的な準備だけでなく、教育現場と受験コミュニティ全体で共通理解を作ることが、CBTを公平かつ安全に導入するためのもっとも重要なポイントです。
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引用元:https://cbt-s.com/
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