CBT試験には会場型と自宅型があり、最近導入している検定団体などが増えています。CBT試験は一般的に会場で行うオンライン試験のことを指し、自宅で行う場合はIBT試験と呼ばれています。IBT試験はカンニングしやすいといわれていますが、今回は自宅で行うIBT試験のカンニング対策を探っていきましょう。
CBT試験における「会場型」と「自宅型」の違い
CBT試験は、オンライン上で受けられるテストのことで、会場型と自宅型があります。そして会場型CBTと自宅型IBTに分かれ、それぞれ違いがあります。
会場型とは
会場型CBTは、会場に設置されたパソコンで試験を受けたり、自分のパソコンを試験会場に持ち込んだりして受験します。試験会場では開始時間と終了時間が決まっていて、主催する検定団体などは、試験作成、試験日のスケジュール調整、会場の予約・準備、受付や監視員の準備、設備・備品の準備などをします。
また、会社が昇進試験を行う場合は、会場を自社のオフィスにすることが多く、試験監督なども会社の上司が担当するケースが増えています。会場型は比較的監視しやすく、カンニングは難しいとされています。
自宅型とは
自宅型IBTは、個人のパソコンを使用して、自宅などで受験できる形式を指します。会場を必要としないので、主催者側は会場型よりも準備は簡単です。ただし、自宅試験のルール作り、試験中の受験者からの問い合わせのオペレーションの構築などが必要となってきます。
また自宅型は簡単に実施できますが、受験環境が限定できない、予期せぬ事態が発生しやすい、不正されやすいなどの難点があります。
自宅でおこなうCBT試験でよく用いられるカンニング方法
それでは自宅で行うCBT試験で、よく使われるカンニング方法を見ていきましょう。
カンニングペーパーを使う
事前にカンニングペーパーを作っておき、試験中にカンニングします。パソコン近くに隠しておいたり、手のひらに書くケースもあります。使う紙はさまざまですが、A4用紙や
B5用紙などのサイズが一般的です。方法としては、机の上に広げておいて見つかりそうになると解答用紙の下に隠します。オーソドックスな方法であっても、案外見つからないと信じている人もいます。
インターネットを使用する
スマホを使ってインターネットで検索します。また、受験しているパソコンで別タブを開くという方法もあります。この方法でカンニングすると情報量が無限なので、かなり大きなメリットになります。スマホを膝の上に乗せたりすると不自然な動きになるため、堂々と机の上においてカンニングします。
なりすましによる受験
なりすましによる受験はなくならず、ときおり発覚します。替え玉受験とも呼ばれ、受験する人物になりすまして受験します。会場で行われる試験でも起こり、自宅で行うオンライン試験の方が起こりやすいとされています。
本人確認をWebカメラで実施するため確認が難しい傾向となっています。画面上に入力するだけの試験は誰でも可能であり、本人でなくてもなりすまして解答可能です。
自宅でおこなうCBT試験でのカンニング対策
それでは、比較的カンニングがしやすいとされている自宅で行う、CBT試験でのカンニング対策を見ていきましょう。
受験端末を活用する
受験で使用しているパソコンやスマホのカメラで、受験者の顔を確認します。なりすまし受験の防止にもなり、ライブで監視したり、データで確認したりすることが可能です。パソコンの場合はスクリーンショットの監視をしたり、スマホの場合は受験用のアプリしか開けない設定にしたりします。
Webカメラの活用
Webカメラを使って遠隔監視をします。受験中の状況を監視してカンニングを防止する方法で、机の上に不必要なものが置かれていないか、事前に提出していた本人写真と受験中の画像に相違がないかをチェックします。
リアルタイムの映像を提供することで、カンニングが発見しやすくなります。1台のカメラでは難しいかもしれませんが、カンニングを防止するには効果的な方法の一つです。
受検中の様子を録画する
受検中の様子を録画しておいて、あとで不正がないかをチェックする方法です。録画は何度でもチェックできるので、しっかり確認できるメリットがあります。受験中に確認できなかったとしても、試験終了後に発見できる可能性が高くなります。
録画のチェックは基本目視となりますが、AIにチェックさせることも可能となっています。
AIの活用
先に述べたように、今の時代はAIの活用が必要不可欠です。そしてカンニングを防止するためのAIにはさまざまな種類があります。
受験者の視線をチェックするAI、近くに不必要なものが置いていないかチェックするAI、本人確認をしてなりすましを防止するAI、入れ替わりを防止するための離席状況をチェックするAIなど幅が広いです。AIの活用によって、監視する人の削減になります。
スマート入試の導入
スマート入試とは、2つの監視カメラと4つのAIによる不正監視機能を提供するオンライン試験システムです。このシステムを利用することで、死角をカバーすることが可能です。画像データや音声データを高精度に解析し、不正行為を見逃しません。
そして万が一試験中にトラブルが発生し、試験中断時であっても不正を監視・抑止して試験を続行できます。
抑止できる不正行為は、「第三者との入れ替わり」「第三者に接触して視覚的な協力・聴覚的な協力を得る」「第三者から遠隔により視覚的な協力・聴覚的な協力を得る」「視覚的や聴覚的なヒントを得る」などが考えられます。
また、スマート入試が選ばれている理由としては、不正を抑止し、死角も監視できるというところです。もう一つは手軽に導入できることにあります。特別なソフトウェアのインストールなども不要で、スピーディーにカンニング防止の環境を作ることが可能です。
専任スタッフのサポートのもと、最短1か月の期間で導入でき、安心して調整作業が行えます。手持ちのパソコンやスマートフォンから利用でき、システムの設定作業は最小限の負担で済みます。
利用の流れとしては、試験担当者(要件ヒアリング、顧問データ設定・提供、試験実施)、試験対象者(受験環境準備、操作体験、試験実施)となります。
カンニング対策のポイントとは
自宅でおこなうCBT試験でのカンニング対策を見てきましたが、ポイントを押さえておく必要もあります。まず上記のようなカンニング対策を講じた場合は、受験者に事前に伝えることが大切です。心理的抑制を与えることは不正行為の防止につながるからです。
カンニングやなりすましといった行為にも効果的で、事前に伝えることは大きな意義となります。またスマート入試のような専用のシステムやノウハウも必要であり、アウトソーシンの利用が望ましいです。
アウトソーシンは社内の業務の一部を社外へ委託するサービスです。アウトソーシングの大きなメリットは、監視方法を試験内の内容や規模などに合わせて選べる点です。人材の採用や研修も任せることが可能で、社員は業務に専念できます。
まとめ
自宅でおこなうCBT試験はカンニングし放題なのか、どのような対策をすべきかを考えてきましたが、いかがでしたでしょうか。最近の傾向として、紙で行う試験からオンライン試験へと変化しています。
コロナの影響でオンライン授業やテレワークが主流となり、検定試験などもCBT試験が採用されるようになりました。CBT試験の採用・移行によって、カンニング対策などさまざまな不安や懸念がありますが、試験の主催団体、受験者の両方にメリットがあるのは確かでしょう。