資格試験にCBT形式を導入するメリットとは?

公開日: 2024/08/15 最終更新日: 2024/10/07
パソコン

インターネットの普及により、コンピューターを使って試験を実施する資格団体が増えつつあります。しかし、一般的な紙媒体の試験と運用方法などに違いがあることから、CBT形式の試験の導入を見送るケースもあるでしょう。そこで、今回はCBT方式の試験を導入するメリットや、導入時の注意点について解説します。

CBT形式を資格試験に採用するメリット

CBT方式とは、Computer Based Testingの略称であり、文字通りコンピューターを使った試験方式です。

一般的な紙媒体との試験とは異なり、すべてコンピューターで完結します。効率的に試験を実施できるなどの理由により、さまざまな団体で導入されています。

ただ、具体的にどのようなメリットがあるのか、いまいち想像できない方も多いでしょう。ここでは、CBT方式の試験を導入する具体的なメリットについて詳しく紹介します。

試験の効率化

一般的な紙媒体の試験の場合、問題や解答用紙を印刷して試験会場に配送しなければなりません。

試験当日は受験者に問題用紙と回答用紙を配り、試験が終わったタイミングで解答用紙を回収する必要があります。また、試験中は試験監督や補助要員が常に教室で待機しておかなければならないので、人件費がかかってしまうのです。

しかし、コンピューターを使ったCBT試験であれば、問題用紙や解答用紙の配布、回収は必要なく、すべてパソコンだけで完結します。さらに、試験会場にように試験監督や補助要員が必要ないので、人件費を大幅にカットできるといった特徴もあります。

人的ミスを防げる

人的ミスを防げるのも、CBT試験の魅力です。

一般的な試験の場合、受験者から回答用紙を回収し、人の手によって採点をおこないます。昨今はマークシート方式を採用している試験もあり、自動で採点してくれるツールもあります。

しかし、試験によっては記述問題などがあるので、どうしても人が採点しなければならないケースも珍しくありません。しかし、数多くの回答を採点しなければならないため、採点ミスが発生する可能性もゼロではないのです。

しかし、CBT試験であれば、コンピューターが自動的に採点してくれるので、人的ミスを防げます。また、採点するスタッフを雇用する必要がなくなるので、結果的に人件費の削減につながるといったメリットもあります。

カンニングなどの不正を抑制できる

カンニングなどの不正行為を防げるのも、CBT試験のメリットです。

CBT試験の場合、テストセンターに設置されたパソコンを使って試験を受けます。受験前に本人確認をおこなうのはもちろん、パソコン一台ごとにカメラやマイクが設置されているケースもあり、不正を監視可能です。

また、CBT試験の導入方法によっては、顔認証や指紋認証を採用しています。そういった認証方法を用いることで、なりすましを防げるでしょう。

CBT試験に適している資格とは

上記の通り、CBT試験にはさまざまなメリットがあります。

しかし、具体的にどのような資格や検定に向いているのでしょうか。現在CBT試験を採用している資格や検定の一例として、日本漢字能力検定、実用英語技能検定、日商簿記検定、秘書検定などが挙げられます。

そのほかにも、さまざまな資格や検定においてもCBT試験が採用されていることから、その汎用性の高さがわかるでしょう。さらに、試験によっては通常の紙媒体による試験とCBT試験を併用しているケースもあります。CBT試験であれば全国のテストセンターで受験できます。

そのため、受験希望者が少ないエリアでわざわざ試験会場を確保する必要はありません。以上のことから、受験希望者が少ない試験や検定、エリアによって受験者に差がある検定などにCBT試験は適しています。

CBT試験を導入する際の注意点

CBT試験は受験者のみならず、実施する側にとっても大きなメリットがあります。

しかし、実際に導入するときはいくつかの注意点に気をつけなければなりません。たとえば、CBT試験はコンピューターを使った試験なので、CBT試験に対応できるスペックのパソコンを用意しなければなりません。

また、パソコンだけでなく、インターネット環境も併せて構築しておく必要があります。。また、システムやネットワークのトラブルが発生するリスクについても理解しておいたほうがよいでしょう。

コンピューターベースの試験なので、システムやネットワークのトラブルが発生すると、試験を中断しなくてはなりません。その場でシステムトラブルを解決できれば、試験時間を調整して試験を続行できますが、解決できない場合は試験日を後日に調整する必要があります。

さらに、途中まで回答していた内容が消去されてしまっているケースもあることから、受験者から不満の声があがる可能性もあるでしょう。

まとめ

さまざまな試験や検定において、紙媒体ではなくコンピューターで完結するCBT試験が採用されています。コンピューターで試験が完結するので、問題用紙や解答用紙を印刷する必要がありません。そのため、配送の手間や問題用紙を配布する人員確保にかかるコストを大幅に削減できます。ただし、システムやネットワークエラーが生じた場合、復旧に時間がかかることがあり、そういった場合に受験者から不満の声が上がる可能性も否定できません。しかし、試験の効率化を図られるのはもちろん、採点ミスなどの人的エラーを防止できるのは魅力的です。この機会に、CBT試験の採用を検討してはいかがでしょうか。

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