CBT試験を導入したいけれど、そのメリットがいまいち分からないとお悩みではありませんか。そこで本記事ではそんなお悩みを払拭すべく、CBT試験導入による主催者側のメリットや、CBT方式が向いている試験について解説します。この記事を最後までお読みいただければ、あなたのCBT試験に対する疑問は劇的に改善することでしょう。
そもそもCBT試験とは何か
CBTとは「Computer Based Testing」の略であり、コンピュータを使用した試験のことをいいます。ここでは、CBT試験とは具体的にどういった試験なのかについて解説します。
CBT試験とは
CBT試験とは、試験会場に用意されたコンピュータを使用した試験方式のことをいいます。ディスプレイに問題が表示され、解答はマウスやキーボードを使っておこないます。また、イヤホンやマイクを接続し、リスニングテストやスピーキングテストも実施可能です。
CBT試験は、会場でおこなわない試験はCBT試験とはいわず、会場で試験をおこなうことを必須とします。会場入場時には運転免許証などの身分証明書を使用し本人チェックをおこない、試験中については、試験官やAIによる自動感知によって万全の監視体制が敷かれます。
CBT試験は、カンニングなどの不正行為を高確率で防止できる、公正に運営できる試験だといえるでしょう。
CBT試験とIBT試験の違い
コンピュータを使用した試験には、CBT試験だけではなく、IBT試験(Internet Based Testing試験)と呼ばれる方式のものもあります。CBT試験とIBT試験の決定的な違いは、場所に縛られるかどうかです。CBT試験は会場に用意された専用のコンピュータを使用します。
ですが、IBT試験では会場受験の制約がなく、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末から受験することが可能です。IBT試験のメリットは、会場を確保する必要性がないこと、受験者が時間の制約を受けず試験を受けられることです。
反対にIBT試験のデメリットは、本人チェックの精度を上げることが難しく、カンニング防止の観点からも万全とまではいえないことです。
CBT試験増加の理由
CBT試験が増加した理由は、やはりコロナ過が多大な影響を及ぼしています。一箇所に大勢の人が集まるペーパーテスト方式は時代にそぐわなくなりました。また、コロナ過では、密を避けるだけではなく、そもそも大学や公共施設などが閉鎖されてしまったため、試験をおこなう場所が確保できなくなってしまいました。
こういった2つの要因がCBT試験が増加した大きな理由です。このような経緯で、オンライン形式の会議や飲み会が主流となりました。試験の分野においてもオンラインで実施できるCBT試験に注目が集まり、現在も利用が高まり続けています。
CBT試験の導入で主催者側にどんなメリットがあるのか
従来のペーパーテストでは、会場準備、監督者手配、問題・解答用紙配布・回収、採点作業、解答用紙返却など、試験を円滑に回すための工数が多く存在しています。それに比べてCBT試験を導入すると主催者側にはどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは、主催者側から見たメリットについて解説します。
作業工数が削減できる
CBT試験を導入することで、問題・解答用紙の印刷・輸送・配布・回収・採点・返却といった試験にともなう作業が一気に削減できます。全国に設置されたテストセンターを利用すれば、会場準備や監督者などの人員手配が不要となります。
また、試験後にはコンピュータが自動で採点をおこなうため、人による採点も不要となり、採点ミスやマンパワーの削減にも貢献します。
情報漏洩リスクやカンニングが激減する
CBT試験では、厳格性の高い環境での試験運用が可能となり、従来の試験にあったような問題用紙の紛失や盗難の情報漏洩を激減させることが可能です。試験中についても、試験官やAIによる自動感知による万全の監視体制が敷かれており、カンニングなどの不正行為を高レベルで防ぐことが可能です。
紙では出題できない問題が出せる
CBT試験であれば、イヤホンやマイクを接続し、音声配信を利用したリスニングテストや、会話力を判定するスピーキングテストを実施することが可能です。CBT試験によってさまざまなバリエーションの試験が導入できるようになるため、受験者の能力を細分化して分析し、合格判定に活かすことも可能にします。
受験環境によるトラブルを防止できる
CBT試験であれば、個人所有ではなく、会場に用意された指定のコンピュータを使い受験するため、PCのスペックやインターネット環境によるトラブルを事前に防止することが可能です。思わぬ機材トラブルが発生した場合に、特定の受験者だけ試験の進捗が遅れるといった心配がなくなります。
試験の受験者数を増加させられる
CBT試験は、全国のテストセンターを利用することで試験の認知度が向上し、かつ通年開催することによって、試験の受験希望者の機会損失を防ぎ、受験者数を増加させられます。
受験者側にもメリットがある
CBT試験の導入は、主催者側にだけメリットがあるわけではなく、受験者にもさまざまなメリットが生まれます。ここでは、CBT試験がもたらす受験者側のメリットについて解説します。
最寄りの会場に受験できる
CBT試験を受けられるテストセンターは、全国47都道府県それぞれに点在しており、地方在住者でも最寄りの会場で受験できる可能性が高まります。今まで会場や日程の関係で受験を諦めていた人でも、CBT試験が導入されることで受験の機会が得られます。
会場や受験日の変更ができる
CBT試験であれば、申込後に会場や受験日の変更が可能です。変更は試験日の1営業日前まで受け付けているため、急な予定も対応した受験が可能になります。予定が被る可能性があったとしても、まずは申し込んでおくことで、受験機会を逃さずに済みます。
採点結果がすぐ分かる
CBT試験は、コンピュータが自動採点するため、採点結果がすぐに分かります。試験終了後に渡される試験結果レポートを活用し、正答できなかった問題や分野の見直しをすぐに始められます。ただし、通知されるのは「試験結果」ではなく「採点結果」であり、試験の合格を約束するものではありませんので注意が必要です。
CBT方式が向いている試験のタイプ
CBT試験を導入することで、主催者側・受験者側双方にさまざまなメリットが生まれますが、すべての試験に導入できるわけではありません。ここでは、CBT方式が向いている試験のタイプについて解説します。
CBT方式が向いている試験のタイプとは
CBT試験は、正誤情報や採点ルールを登録したうえで、自動採点がおこなわれる仕組みのため、マークシート方式の試験はCBT試験への移行が向いている試験だといえます。一方、解答一つひとつを読み採点者が正誤を判断する問いや、複数の正答を持つ問い、論述式の問いについては、ペーパーテスト方式が向いているといえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はCBT試験を導入することによっての主催者側のメリットについて解説しました。CBT試験とは、試験会場に用意されたコンピュータを使用した試験方式のことです。ディスプレイに問題が表示され、解答はマウスやキーボードを使っておこないます。
CBT導入による主催者側のメリットは、試験における工数の削減・情報漏洩リスクやカンニングの激減などです。受験者側のメリットとしては、最寄りの会場に受験できる・会場や受験日の変更ができる・採点結果がすぐ分かるなどが挙げられます。
CBT試験は、正誤情報や採点ルールを登録し、自動採点がおこなわれる仕組みのため、マークシート方式の試験はCBTへの移行がしやすい試験です。CBT試験の導入をお考えであれば、ぜひこの記事にある内容を参考にしてください。