従来型の試験や検定は、受験会場へ出向き、紙の答案用紙に手書きで解答するやり方でした。ところが現在、従来型の試験や検定は変わりつつあります。それは「試験や検定のオンライン化」です。では、試験や検定のオンライン化とは一体どんなものでしょうか。今回は、試験や検定をオンライン化するメリットについて詳しくご紹介します。
試験や検定をオンライン化するメリット
試験や検定をオンライン化すると、どんなメリットがあるのでしょうか。こちらで詳しく紹介します。
試験場所を選ばずに受験できる
1つ目のメリットは、試験場所を選ばずに受験できることです。理由は、試験や検定をオンライン化すると、パソコン・タブレット・スマホがあれば、どこでも試験や検定を受験できるからです。
オンライン化した試験や検定を受験する方法は、パソコン・タブレット・スマホから、アプリやソフトウェアに入り、設定された問題を解くことで受験ができます。試験場所を選ばずに受験できることから、従来型の試験会場、ワーキングスペース、自宅などどこでも受験することが可能です。
受験者は交通費がかからなくなる
2つ目のメリットは、受験者の交通費がかからなくなることです。理由は、試験や検定をオンライン化すると、受験者は受験会場まで行かなくてよくなるからです。従来型の試験や検定であれば、受験者は自宅から受験会場まで、なんらかの交通機関を使って出向く必要がありました。
ところが試験や検定がオンライン化すると、受験者は自宅で受験できます。そのため、交通機関を使わなくて済みます。これまで受験会場まで飛行機や新幹線や電車で来ていた受験者は、交通費にかかっていたお金を浮かせることが可能です。
合否判定が瞬時にだせる
3つ目のメリットは、合否判定が瞬時に出せることです。理由は、試験や検定をオンライン化すると、採点処理や集計作業が瞬時に完了になるからです。従来型の試験や検定は、試験や検定が終わると、一旦回収され、採点作業があり、集計作業が行われ、すべての点数がでそろってから合否判定がされます。
そのため、合否判定には1〜2週間程度かかっていました。それに対し、試験や検定をオンライン化すると、試験や検定の終了後すぐに解答データはサーバーに転送されます。すると採点処理・集計作業が瞬時に完了します。試験や検定によっては、終了した途端に合否判定をだすことも可能です。
従来かかっていた経費がコストカットできる
4つ目のメリットは、従来かかっていた経費がコストカットできることです。理由は、試験や検定をオンライン化すると、すべてパソコン・タブレット・スマホのアプリやソフトウェアのなかで完結するからです。
従来型の試験や検定では、受験票・問題用紙・解答用紙などの紙を印刷する必要がありました。また、解答用紙を一度回収、採点して、合否を判定するために、多くの人たちが必要になるため、人件費がかかっていました。
ところが試験や検定がオンライン化すると、これらはすべて必要がなくなります。よって従来かかっていた経費をコストカットすることができます。
非常事態が起きても受験ができる
5つ目のメリットは非常事態が起きても受験ができることです。理由は、試験や検定をオンライン化すると、通信環境があり、パソコン・タブレット・スマホが使える環境であれば、非常事態に関係なく受験できるからです。
最悪、自然災害や悪天候でも受験をすることができます。また、感染症が蔓延している状況であっても受験は可能です。
オンライン検定・試験の課題と対策
オンライン検定・試験には、どんな課題があるのでしょうか。こちらではオンライン検定・試験の課題と対策について詳しく紹介します。
課題① なりすまし受験
オンライン検定・試験の課題の1つ目は、なりすまし受験です。なりすまし受験とは、正式な受験者の代わりに、偽の受験者が検定・試験を受験する不正行為のことです。なりすまし受験は、別名「替え玉受験」ともいいます。
対策① なりすまし受験の対策
なりすまし受験の対策は、顔認証をすることです。顔認証とは、受験している本人の顔と検定・試験の申し込み時にもらった本人の顔写真を比べてみて、本人の顔に間違いないかを判定することです。
オンライン検定・試験での顔認証のやり方は、本人の顔をパソコンなどのウェブカメラに映してもらい、検定・試験の本部にいる検査官がチェックするやり方です。ただし現在の顔認証は、検査官が手動では行わず、AIを使って簡単に顔認証をすることができます。
課題➁ カンニング
オンライン検定・試験の課題の2つ目は、カンニングです。カンニングとは、検定・試験のときに、正解が書いているメモやデータを見ることや他人の答案を盗み見る不正行為のことです。
対策➁ カンニングの対策
カンニングの対策は、受験者とパソコン上の画面の両方を監視することです。受験者監視の方法は、受験者の映像・音声を録画して監視する方法です。自宅であれば、ウェブカメラ2台以上を設置し監視します。
受験会場であれば360度カメラで監視します。また、パソコンの画面の監視の方法は、パソコンの画面上に検定・試験以外のページが開いていないかを監視してカンニング対策を行う方法です。
課題➂ 通信状態
オンライン検定・試験の課題の3つ目は、通信状態です。通信状態とは、検定・試験で使っているパソコン・タブレット・スマホの通信状態のことです。通信状態が悪い場所で受験してしまうと、通信が途切れてしまうことがあります。そうなるとオフラインになってしまい、解答できません。
対策➂ 通信状態が良い場所で受験をする
通信状態の対策は、通信状態がよい場所で受験をすることです。具体的には、Wi-Fiの電波が強いところで受験をした方がよいでしょう。
試験や検定のオンライン化への移行の流れ
試験や検定をオンライン化するときにはどんな流れで移行した方がよいのでしょうか。こちらで詳しく紹介します。
ヒアリングを行う
試験や検定の担当者からヒアリングを行い、ルール・問題点・募集から合否判定までのスケジュールなどを視覚化して、全員で共有します。
オンライン試験や検定を構築する
具体的には、ヒアリングをもとに問題をアプリやソフトウェアで作成、サーバーに接続、オンラインでの同時接続ができるようにします。
推奨する通信環境・デバイスのスペックを公表する
オンライン試験や検定が推奨する通信環境とパソコン・タブレット・スマホなどのデバイスのスペックを公表して、受験予定者に準備をしてもらいます。
テスト試験や検定を開催する
オンライン試験や検定の本番を行う前に、受験生に慣れてもらうことと、システムが正常に機能するのかをチェックするために、テスト試験や検定を開催します。問題点がなくなるまで修正を繰り返します。
オンライン試験や検定の本番を実施する
オンライン試験や検定の本番中に、なりすまし受験、カンニング、通信状態の悪化・システムトラブルが発生しないように注意深く監視を行います。
合否判定を行う
オンライン試験や検定の終了後に、採点・集計を行います。採点・集計のデータをもとに、受験者への合否判定を行い連絡をします。
まとめ
今回は、試験や検定をオンライン化するメリットについてご紹介しました。今回のポイントをまとめると、試験や検定をオンライン化するメリットとは試験場所を選ばずに受験できること、受験者は交通費がかからなくなること、合否判定が瞬時にだせること、従来かかっていた経費がコストカットできること、非常事態が起きても受験ができることの5点です。
このように試験や検定をオンライン化すると、メリットがだくさんあります。ぜひ、試験や検定のオンライン化を検討してみることをおすすめします。本記事が試験や検定をオンライン化するメリットについて詳しく知りたい方に届けば幸いです。