「試験を開催するにはどの方法が最適?」
「CBT試験が注目されているけど、PBT試験とどう違うの?」
「CBT試験とPBT試験の選ぶポイントを知りたい」
CBT試験とPBT試験に対する疑問を抱えている方は少なくないでしょう。とくに昨今は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインを導入している学校・企業が増加傾向にあります。
そこで今回は、CBT試験とPBT試験のどちらを選ぶべきかポイントをまとめてみました。主催者はもちろんのこと、受験者もぜひ参考にしてみてください。
随時試験か一斉試験か
CBT試験がよいのか、それともPBT試験がよいのかは受験者の人数や環境によって異なります。そのため、どちらか選ぶときはメリット・デメリットもいっしょに考えておくと判断しやすいでしょう。
また、それぞれの「違い」について知っておくことも大切です。
CBT試験とは
ひと言でいうと、CBT試験は「随時」、PBT試験は「一斉」になります。ようするに、随時試験が行える方法と決まった日時に一斉に試験を行う方法のことを言います。随時試験=オンライン試験、一斉試験=ペーパーテストというとわかりやすいかもしれません。
また、PCやタブレット端末を使って試験を受けるのもCBT試験の特徴でしょう。一般的に試験と聞くと紙ベースのものをイメージする方が多いと思いますが、CBT試験は紙を使わなので、大きな会場を準備する必要も、印刷や筆記用具が不要です。
1教室に数台のPCだけですぐに試験が受けられるのも大きなポイントでしょう。
ただ心配なのが「PCに不慣れな人は受験が難しいのでは?」という点です。しかし現状は、子どもからシニア層まで多くの受験者がいることから、操作は簡単と言えるでしょう。4択問題をマウスで選択していくだけで回答できます。
PBT試験とは
PBT試験は、先ほども述べたとおりペーパーテストのことを言います。ようするに、みなさんにとって馴染みのある試験方法です。紙を使って行うのでPC環境がなくても試験が受けられ、試験管もIT知識が要りません。大規模な試験も開催しやすいでしょう。
どちらを選ぶかは、コストやリスクによって変わってきます。便利・迅速という理由だけで選ぶならだんぜんCBT試験がおすすめですが、大規模の試験を希望するならPBT試験のほうが有利になります。
それぞれのメリット・デメリットについては、次の項目を参考にしてみてください。
メリット・デメリットで考える
学校や企業によって、CBT試験とPBT試験のどちらを選んだらよいか変わってきます。
オンライン試験の導入でCBT試験を考えるところも増えてきていますが、実際はどうなのでしょうか?メリット・デメリットを知って、賢く選んでみてください。
CBTを導入する利点
随時試験が開催できるCBT試験は、小さい会場に数台のPCだけで簡単にはじめられます。これは、CBT試験の大きなメリットと言えるでしょう。
また万が一トラブルが起きた場合でも、すぐに再試験が可能です。そのため、次の試験日まで待つ必要がありません。1会場に数席と小規模ですが、その代わり全国の会場でいつでも受験できるのは非常に便利でしょう。
一方で、デメリットもあります。たとえば、試験管にIT知識が求められたり、試験問題が発生した場合に問題作成が求められたりすることです。IT知識のある試験管を集めるのは容易ではないため、随時開催できる一方で、簡単に導入することができません。
CBT試験を選ぶかは、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解しておく必要があるでしょう。
PBTを導入する利点
一方でPBT試験は、大規模での一斉試験が可能になります。その代わり定期的な開催はむずかしく、年間に開催できる回数は限られています。主要都市でのみ開催というケースも少なくないでしょう。
しかし1会場1,000名等の規模でも開催しやすく、また試験管のIT知識も不要なので、年間の開催回を決めているところや一度に多くの受験者を求めているところにはメリットになります。コスト面に関しても、受験者が多ければ単価は下がるでしょう。
ただトラブルが起こると再受験できなくなるので注意が必要です。最悪のケースでは次の試験が翌年になってしまうこともあります。採点にも時間がかかりやすいので、試験によっては通知まで1か月以上かかる場合もあるでしょう。
リスクの違いを知る
それぞれの試験を開催するには、リスク対策やコストについても知っておく必要があります。
随時と一斉ではトラブルが起きたときのリスクも違いますから、事前に確認しておきましょう。
トラブルがあっても再試験が可能
CBT試験は、トラブルがあった場合でも翌日以降に再受験が可能です。ただし試験によっては再受験できない種目もあるため、注意が必要です。
しかし、ほとんどの試験は再受験が可能になっており、すでに合格している試験でも7日以上経過していれば受験できます。何度でも受験できるということはチャンスが多いことにもなるので、チャレンジしやすいでしょう。
一方で、PBT試験は再受験が不可能です。おそらく一斉開催されることが原因のひとつですが、たとえ予備の問題セットがあって場合でも再受験はむずかしいでしょう。これは、地震や台風などで受験できなかった場合でも同様になります。
リスクに対するメリットが大きいのは、だんぜんCBT試験と言えます。
低コストで条件がいい
CBT試験は、最悪PCさえあれば受験できるので、会場や試験官の手配や問題集の準備が不要です。
もちろん試験種目によって変わってきますし、IT知識のある試験官も必要になりますが、小規模でも開催できるのでコストを最小限におさえることができるでしょう。たとえ1会場に1人の受験者しかいなくても、1名あたりで単価契約するためムダがありません。
PBT試験は、まず会場がなければまず開催が不可能です。問題集など資材を準備する必要もありますし、たとえ受験者が少数でも多大なコストがかかってしまいます。またある程度受験者数が確定しないと収支予測もむずかしいのもデメリットでしょう。
それでもリスク対策は必要
CBT試験はPBT試験に比べリスクが少ないため、とくに対策は不要と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、どんなにリスクが低いシステムでも、リスク対策は必要不可欠です。
代表的なリスク対策といえば、セキュリティ・バックアップ・クレームなどが挙げられます。どれかひとつに特化しているよりも、総合的に対策できているほうが安心でしょう。
学校や企業によっておすすめの対策法は変わってきますが、損害保険の加入・免責事項の記載・災害時の対処法は非常に効果的です。
損害保険に加入していることで受験者だけでなく試験を主催する側の安全性も高まります。とくに個人情報漏えいやシステム障害に対応した保険は重要でしょう。
免責事項は、受験者に問題があった場合の対応についてです。公式ホームページに記載・開示しておくことで、万が一のときでも安心して受験できます。CBT試験は再受験が可能なので、こういったリスクを極力減らせるでしょう。
ほかにも、バックアップの対策やリスクに対応してくれるプロの業者を見つけておくのもポイントになります。
まとめ
近年注目されているCBT試験と従来のPBT試験について紹介してきました。それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらを選んだらよいか迷っている主催者は少なくないでしょう。
利便性の高さやトラブルへの対応がスムーズなのはCBT試験ですが、PBT試験は1会場に1,000名等の規模の開催ができるので、一概にマイナスになるとは限りません。
学校や企業によって重視する点が違うので、なにが必要になるかを考え、CBT試験とPBT試験を比較しながら最適なほうを選んでみてください。