CBT試験の進化型と言われるCATをご存知でしょうか。CATは、受験者の理解レベルに合わせた問題が出題される試験形態です。
CATの導入は、受験者と主催者側の両方にメリットがあります。そんなCATの仕組みや、導入方法などについて、詳しく解説しています。
CATについて興味がある方や、試験の主催者の方は、ぜひ参考にしてください。
CATとは?
CATはComputer Adaptive Testの略で、日本語にすると個別最適型テストです。オンラインテストで利用される形態の1つで、CBTの進化型とも言われています。
CATの特徴は、受験者の理解度に合わせた問題を出題する点です。一人ひとりの受験者に合わせた問題の出題が可能なため、TOEICでも採用されています。
ほかのテスト形態より、少ない問題数で正確に能力が測れる点がメリットです。海外では、マウスではなくキーボードで回答をするなど、より多くの学生が受験できるよう工夫されています。
CATを導入するメリット
オンラインテストで、CATを導入することに、どのようなメリットがあるのでしょうか。CAT導入は、受験者のほかに、主催者にもメリットがあります。
ここでは、CATを導入するメリットについて、受験者側と主催者側にわけて解説します。
【受験者側】持続的な受験機会
CBTによる試験は、最寄り会場で受験が可能です。そのため、わざわざ指定の会場へ行く必要がありません。
気軽に試験が受けられるため、持続的な受験機会が得られます。これまで地方在住の受験者は、指定会場が遠方でも出向かなければなりませんでした。
そのため、交通費や宿泊費がかかり、損をすることもあります。しかし、CAT導入により、遠方まで行かずに試験が受けられます。
気持ち的な面でも、自宅から近い会場で受けた方が、実力を発揮しやすいです。
【受験者側】一人ひとりに合った問題が出題される
CATの導入により、一人ひとりに合った問題が出題される点は、大きなメリットです。これまで、受験者のレベルに関係なく、同じレベルの問題が出題されていました。
CATを導入することで、受験者一人ひとりのレベルに合わせた問題の出題は、自分の力を発揮しやすくなります。
また、受験時の理解能力で試験に挑めるため、よい結果が出やすいでしょう。
【主催者側】認知度の向上が期待できる
CBT試験は、開催できる会場が多いです。そのため、受験機会が増えて、認知度の向上が期待できます。
受験の認知度が向上すれば、受験者も増加します。結果として、人材を発掘する機会も増えることになります。
試験の認知度が向上する点は、主催者側にとって、大きなメリットになるでしょう。試験を開催しても、受験者が少ないと人材発掘ができず、損失になる可能性があります。
受験者が増えれば、よい人材の確保につながります。
【主催者側】高い精度で測定できる
今までの試験形態では、すべての受験者に対して、同じレベルの問題が出題されていました。そのため、一定レベルを満たさない受験者は、振り落とされます。
ある程度能力があり、よい人材でも振り落とされてしまっては、意味がありません。CATを導入すれば、受験者に合わせた問題が出題されます。
そのため、高い精度での測定が可能なため、主催者が求める人材確保ができるでしょう。また、問題の範囲が広くても、比較的高い精度で測定可能です。
無駄な試験費用もかからず、求めている人材が確保できるため、効率もよいです。
CATの導入に必要な条件
CATを導入するためには、必要な条件があります。必要な条件を満たさなければ、CAT導入は難しいです。
受験者と主催者、どちらにもメリットがある形態なので、導入したいと考える主催者は多いです。ここでは、CAT導入に必要な条件を解説します。
作成する問題
今までの試験形態であれば、用意する問題数も少ないです。しかし、CATは受験者の理解レベルに合わせた問題を出題するため、それだけ問題を用意しなければなりません。
受験者のレベルに合わせ、難易度ごとに問題を作成する必要があります。それぞれのレベルをカバーできる問題を作るためには、多くの時間が必要です。
受験者のレベルも理解しなければならないため、工数が多くなる可能性もあります。
パラメーターの応用
試験でIRTを応用するには、CATの導入が大きなメリットとなります。しかし、導入するまでのハードルにもなってしまいます。
IRTは、試験結果などから、受験者の能力や性格などを分析する方法です。そのため、実用化するためには、ノウハウが必要になります。
しかし、日本国内ではノウハウを持っている試験担当者が少なく、実用化するまで時間がかかります。そのため、パラメーターを応用し、実用できるレベルまであげる必要があります。
CATの仕組みと導入方法
CATを導入する前に、仕組みと導入方法を確認しておきましょう。CATの仕組みを理解しておかないと、導入しても意味がありません。
ここでは、CATの仕組みと導入方法について解説します。必要な人材確保をしたいと考えている方は、ぜひ参考にして、CAT導入を検討してみてください。
仕組み
CATの仕組みを理解する際、視力検査をイメージするとわかりやすいです。視力検査は、一人ひとり「見える」と「見えない」が異なります。
検査を受ける人に合わせて、数値を変えながら合わせていきます。見え方によって、数値を大きくしたり、小さくしたりして視力を測る流れです。
これにより、理解度が異なる受験者に、それぞれ難易度を合わせた問題を出題するCATと似ていることがわかるでしょう。
CATの仕組みについて他者へ説明する際、視力検査に例えて説明すると理解しやすいです。
導入方法
CATを導入するメリットは大きいですが、導入ハードルが高い点がデメリットになります。これが、現在の状況です。
CAT導入には大きなハードルがあるため、専門家に相談しながら進めると確実です。CATに詳しい専門家に頼れば、不明点も確認でき、安心です。
専門家は、CATに関するノウハウを持っているため、導入までしっかりサポートしてくれます。また、試験問題の作成も、知識がないと難しいです。
相談をしながら進めることで、早く導入できる可能性もあります。CATに関するノウハウがないのであれば、専門家に依頼をしてサポートしてもらいましょう。
CATが導入できる試験
CATが導入できる試験は、マークシートを使って回答をする試験です。CATは、採点をする際、回答の正誤や採点ルールを設定します。
これらの設定をおこなえば、自動的に採点可能です。そのため、マークシート形式の試験では、導入がしやすいです。
しかし、正しい回答が複数ある試験や、論述での回答が必要な試験には向いていません。なぜなら、正誤情報や採点ルールが設定しにくいからです。
マークシート形式の試験以外でも、採点ルールが設定しやすい試験であれば、導入できる可能性があります。
CATを導入するには、回答の正誤が判断しやすい問題を作る必要があります。たとえば「YES」か「NO」で回答できる問題などです。
まとめ
CBT試験の形式である、CATについて詳しく解説しました。CATは、受験者一人ひとりに合わせた問題が出題できる試験形態です。
受験者の理解能力に合わせた問題で試験が受けられるため、高精度の判定ができます。自分のレベルに合った問題が出題されるため、実力も発揮しやすいです。
主催者側のメリットは、試験の認知度アップが挙げられます。これらのメリットがある一方で、導入ハードルが高いというデメリットもあります。
CATを導入するためには、ノウハウが必要です。ノウハウを持っていないのであれば、専門家に相談することをおすすめします。
よりよい人材を発掘したいと考えているのであれば、CATの導入を検討してみてください。